ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会)> 第10回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(議事録)(2013年11月1日)




2013年11月1日 第10回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(議事録)

雇用均等・児童家庭局 母子保健課

○日時

平成25年11月1日(金)


○場所

厚生労働省 省議室


○出席者

五十嵐委員 井田委員 大澤委員
小林委員 坂上委員 益子委員
眞鍋委員

○議題

(1)医療費助成の仕組みの構築について その2

○配布資料

資料1 これまでの議論の整理
資料2 医療費助成の仕組みについて
資料3 小児慢性特定疾患児への成人期に向けた総合的な支援
参考資料1 小児慢性特定疾患対策関係資料
参考資料2 第9回専門委員会の議論の概要
参考資料3 教育支援資料(抜粋)
参考資料4 第34回難病対策委員会資料

○議事

○火宮課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第10回「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」を開催いたします。

 本日は、安達委員、石川委員、及川委員、小幡委員、佐地委員、水田委員、松原委員から所用により御欠席との御連絡をいただいております。

 また、事務局ですが、公務により田原疾病対策課長が途中退席されます。

議事進行についてですが、これまでと同様、視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、御発言等をされる場合には、1、発言者が必ず挙手する。2、挙手をした発言者に対し委員長から指名する。3、指名を受けた発言者は氏名を名乗ってから発言するという形で進めていただきますようお願いいたします。

カメラの撮影はここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

○火宮課長補佐 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移りたいと思います。

委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○五十嵐委員長 ありがとうございました。

 皆さん、おはようございます。

それでは、議事に入りたいと思います。

 まず、お手元にお配りしてあります資料につきまして、確認をお願いいたします。

○火宮課長補佐 お手元の資料でございますが、座席表、委員名簿、議事次第、資料1から3まで、参考資料1から4までとなっております。

 資料は以上でございますが、不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。

○五十嵐委員長 ありがとうございました。

過不足はございませんでしょうか。

 それでは、今日の会議の進行につきましてお話をさせていただきます。

 資料1から3について、まとめて事務局から御説明をいただいた後に議論に入りたいと考えています。

 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○小宅母子保健推進官 事務局でございます。では、資料について御説明させていただきます。

 まず、資料1でございます。

 9月に第7回の当専門委員会を行いましたときに、おおよその検討スケジュールということで、11月を目途に提言のまとめをお願いしたいということを申し上げておりました。

 主要な論点が一通り議論されて、その11月ということになってまいりましたので、資料1は、そういった提言の取りまとめにつながるものとしてこれまでの議論を整理したものでございます。今後これが報告書になっていくというようなイメージで考えていただければと思います。

 1ページ目、2ページ目の実線の囲いで中間報告を簡潔にまとめております。

 3ページ目の「第2」というところで9月以降の議論を整理しております。

 おおよそ皆さんのコンセンサスというか、議論が一定の方向に収れんされているのかなというところについては地の文で書いておりまして、点線で囲ってある部分がまだ議論が継続しているというものかと思っております。

 これにつきましては、今後皆様の御意見をいただきながら加筆なり修正をしていきたいと考えております。

 点線の内容部分について今後議論をいただくわけですが、それについて資料2と3で御説明いたします。

まず、資料2「医療費助成の仕組みについて」でございます。

1ページ目のところにつきましては、今回の見直しの基本的な方向性ということで、中間報告に記載されているところでございます。

「財源を負担する国民に対して公平性・合理性を説明できるものである必要があり、限られた財源をより必要度の高い人に行き渡らせ、持続可能な仕組みとする観点からも、負担能力に応じた適正な利用者負担としていく必要がある」ということがうたわれておって、その上で、「小児慢性特定疾患の特性を踏まえつつ、他制度との均衡に留意」する。具体的な検討項目として、重症患者の特例とか、入院時の標準的な食事療養に係る費用などについて検討が必要だとされています。

その際に留意事項として、低所得者や複数の患者がいる家庭への影響というような基本的な考え方とか検討項目が示されておりました。

今回議論をいただいておるところです。

2ページ目のところが、今回の見直しの全体的なメリット等も十分に説明すべきだということでございましたので、1枚にまとめております。

これは以降のペーパーの部分もございますので、振り返っての御説明とさせていただきたいと思います。

次に、3ページ目をお願いいたします。

今回の見直しの大きな柱として、義務的経費化というものと疾病の追加ということがあろうかと思います。現時点でのその状況についてでございます。

一番上の四角の中は中間報告で言われておりましたことで、4つの考え方を引き続き踏襲して選定することが適切だと。その際、関係学会の協力を得て、特に類縁疾患などについて明確化を図る必要がある。

どのような疾患を対象とするかという疾患の見直しについては、公開の場で審議して、公平性・透明性を確保することが必要だということが言われておりました。

関係学会の協力を得てということで、新規疾患の選定につきましては、学会のほうに検討をお願いいたしました。

現時点では、80から100ぐらいが検討の候補になるのかというふうに思っています。これはまださらに精査が必要でございますので、今時点のものということでお考えいただければと思います。

この選定に当たりましては、今まで厚生労働省が患者団体からお話を伺っているものなども御参考にして検討を進めてきたということでございます。

中間報告で「公開の場で審議し」というふうに言われておりましたが、これにつきましては、この小慢専門委員会で今後検討していただくのがいいのかというふうに考えております。

次のページでございます。

前回からの引き続きでございますけれども、入院時の標準的な食事療養に係る費用の取り扱いについてでございます。

前回、見直し案といたしまして、負担能力に応じた利用者の負担、他の助成制度などとの均衡の観点から、食事療養に係る費用は、利用者の負担としてはどうかという案をお示ししました。

委員の皆様からは、子育て家庭にとって負担が重くなるとか、負担をするということ自体は反対ではないけれども、何らかの軽減ができないかといったものや、食費はどの子供でも必要なもので、公費負担で軽減を図るということは、納税者である国民の理解が得られないのではないか。

小慢患児以外の入院患児との公平性の観点から、限られた財源を有効に活用してできる限り多くの患児に支援を行うという観点からは、自己負担はやむを得ないのではないかといったような御意見があったかと思います。

これらをさらに議論するに当たって、その基礎となるような資料について、若干補足といいますか、準備させていただきました。

(3)のところでございますけれども、丸数字の1として医療保険の入院時の食費負担の考え方とか、児童に提供される食事に係る負担状況は、ほかの制度ではどうなっているか。

丸数字の2として他の医療費助成制度との均衡、通院治療をしている小慢患児との均衡といったものの状況はどうなっているか。

丸数字の3として、小慢患児の入院割合、日数等の状況。実際の負担状況というのはどのようなものなのかといったことを見ていただいた上で、さらに議論を深めていただいてはどうかということで、次ページ以降、資料を準備しております。

おめくりいただきまして、5ページの「参考1」でございます。

これは前回もお示ししたものですが、今、御負担いただいている費用の考え方でございます。

この絵でありますけれども、額としては640円が基本的にかかっている。その中で、「支給額」というところですが、健保などから出ていて、実際に患者さんが負担されるというのは、「標準負担額」という黒塗りしてある部分でございます。その額は、所得に応じまして260円、210円。市町村民税非課税世帯で、過去12カ月の入院日数が90日を超えるという場合は、さらに軽減されて160円になるという仕組みになっております。

 2つ目の○の2行目でございますが、標準負担額のところは、家計調査、実績をもとに計算されているということでございます。

 他の制度、比較し得るようなもので子供の食費というのはどのぐらい考えられているのかということでございます。

 文部科学省の「学校給食費調査」というものによりますと、これは年額を11カ月で割った額でございますが、月額でこのぐらいの額がかかっておって、1食平均にしますと大体240円から280円ぐらいということでございます。

 「参考3」の上欄は、今まで御説明したとおりでございます。

「参考4」の小慢患児の入院の割合とか日数。では、実際患児の方がどのぐらい御負担されているのかというところにつながるデータです。

通院、入院の割合で言いますと、入院が23.2%、通院が76.8%。これは1年間に入院実績のある割合ということでございます。

入院された方23.2%をベースとしておりますが、そういった方が実際どのぐらいの期間入院されたかというものでございます。

11 疾患群で一番長いというのが悪性新生物で、約98日。一番短いのが約20日で、糖尿病。

小慢全体ですと52日ぐらいということでございます。

これに基づいてまた議論を深めていただければと思います。

次のページが「自己負担額の見直し(案)」についてでございます。

前回の議論では、8ページの階層区分のローマ数字2と4というところをもう少し見直してはどうかというような御意見があったかと思います。

それを踏まえまして、7ページでございます。

8ページのローマ数字2のところを2つの区分に分けまして、負担額についても見直しをして、1,500円、3,000円というものにしてはどうかというものでございます。

ローマ数字4の階層区分も2つに分けまして、1万2,300円という刻みをつくってはどうかというものでございます。

もう一つ、上欄の枠囲いの中の4番目の下線を引いているところでございますが、現在、同一世帯内で複数の患者さんがいらっしゃるという場合には、2人目については上限額が10分1になるということでございます。ですので、世帯に2人いれば10分の11ということになるわけですが、そこのところにつきまして、負担軽減という観点から、世帯内で対象患者が複数いる場合には人数で負担額を案分する。

ですので、例えばローマ数字4の6,000円という世帯にお二人いらしたという場合ですと、2で割って3,000円、3,000円ということにしてはどうかということでございます。

続きまして、資料3をおめくりください。

前回、成人に向けての支援というのも重要だという御指摘がございまして、まとめております。

若干現状から御説明いたします。

2ページ、3ページをお開きいただきますと、まず、生活・就労についてというところです。

この資料は、小慢患児であった方が20歳以上になられていて、かつての小慢患児であった方を対象とした調査でございます。

現在、仕事についているという方が54%、仕事がないという方が43%。

手帳の所持状況ですけれども、身体障害者手帳が31%等となっております。

下段に移りまして、年金・手当の受給状況について、「受給している」という割合が22%。その中身としては「障害基礎年金」などである。

就労状況の「仕事をしていない」という方の内訳ですが、主婦とか学生とか、そういったことで働く必要がないという方が40%。

症状が重くて就労は困難だという方が15%。

求職活動したけれどもなかなか難しかったという方が11%。

症状によって求職活動に取り組めないという方が7%等となっております。

ですので、仕事をしていない理由というのも、必要性がない場合と、取り組んでいるけれどもなかなか難しいという両方がありまして、なかなか取り組めていないという方については就労支援というのが一定程度必要だという状況になっております。

医療費の助成受給状況ですけれども、「受給している」という割合が27%。

その内訳というのが下にございます。

3ページ目でございます。

左下のほうに「疾患群別の就労状況」というのがございます。就労しているという割合が高いのが血友病とか糖尿病とか、そういったもの。

低いというものが心疾患とか神経・筋疾患という状況でございます。

斜め上の「疾患群別の身体障害者手帳の所有率」を見ますと、就労率とは逆の傾向でして、「神経・筋疾患」「慢性心疾患」というところが手帳の所持率は高い。「糖尿病」というのは低いというような関係になっております。

なかなか就労が難しいような方については、そういう福祉サービス的なものを受けることが可能にはなっているという状況が見られるかと思います。

1ページに戻っていただきまして、こういった状況を踏まえての成人期に向けての総合的な支援のあり方はどうあるべきかということでございます。

「基本的な考え方」というところですが、小慢患児につきましては、健全育成という観点で児童福祉法に根拠を置きまして、医療費助成や相談指導を行って自立に向けて支援をしている。

その中で、医療費助成が行われているわけですけれども、今回、難病の対象疾患の拡大というのが検討されておりまして、これによって一定程度の拡大というのが想定されております。

参考資料4の「資料別添1」というところで「医療費助成の対象疾患」というものが示されておりまして、おおよそ300疾患ぐらいが検討の対象になるということが29日の難病委員会で報告されております。

これも今時点のものということでお考えいただければと思うのですが、そういったものが検討の対象になっておるということで、小慢に指定されている疾患もこの中に含まれる可能性があろうかと思いますので、難病の対象疾患拡大ということで、医療費助成は一定程度の拡大になるのではないかということが考えられます。

3つ目の○でございます。

就労支援などにつきましては現在もやっておるわけですけれども、26年度予算におきまして、さらに自立支援に向けた予算を要求しておるところでございます。

その要求内容は4ページでございます。これは一度御説明いたしましたが、長期入院などをすると学校になじめないとか、友達もできないということで、なかなか社会生活にもなじめなくなってしまうというところもあるということで、ピアサポート事業とか、学校での生活支援事業とか、あるいは就労、職場体験とか、こういったものに活用できるような事業について予算要求をしておるところでございます。

5ページ目のところです。

小慢患児の就労支援策としてこのようなものがございます。

1つ目としまして、求職者の必要度、状況に応じまして、専任の担当者を設けてきめ細かな相談、指導をするということ。

トライアル雇用ということで、3カ月間、事業所に試行雇用して、そういった事業所でうまく働けるかというのを体験していただくという事業もございます。

雇入助成ということで、身体障害者手帳とか、難病の対象疾患にかかっているといった方につきましては、雇い入れた事業所に助成金が払われるということで、雇い入れが円滑に進むようにということをやっております。

職業訓練の一環としまして求職者支援制度というのがございます。特に経済状況が厳しいという場合ですと、一番下のところですけれども、月額10万円の給付金を受けながら訓練を受けられるということも可能になっております。こういったものによって今後自立支援を図っていくことが重要ではないかということで、こういったもので今後患児の成人期に向けた支援を強化していこうと考えております。

資料2の2ページに戻っていただきます。

そういったことを総合的にまとめてみると、今回の改正というのはどういう全体像になっているのかということでございます。

まず、第1番目として医療費助成の仕組みの見直しをまさに御議論いただいているわけですが、中間報告で大きな論点となっていたのが「安定的かつ公平な仕組みとする」ということでございます。現在、法律に根拠はございますけれども、裁量的経費ということで、そういったものについては毎年厳しい見直しがなされている。一方、医療の高度化などに伴いまして必要な予算額は年々伸びているという中で、制度の安定化を図るということが何よりも重要だろうというような認識だったかと思います。

今回、義務的経費、給付事業制度とするというのがまず第一の大きな柱。これは患者さんなどの強い御希望でもあったかと思います。

もう一つ、今回、あわせて対象疾患を拡大する。

先ほど申し上げましたように、80から100。現在514疾患ですので、検討のベースになっているものですけれども、2割ぐらいの拡大にはなるのかと。疾患数で申しますと、そのぐらいが検討対象になっておるということでございます。

給付内容でございますが、中間報告におきまして義務的経費ということになるのであれば、やはり他の制度との均衡などを図って、国民に理解されるものである必要があるというのがうたわれておりました。これは1ページに書いてあるとおりでございますが、そういったことをベースにしつつ、内容の充実をできるところはしたいということで、例えば自己負担割合3割を2割にする。

自己負担限度額につきまして、現在、難病の2分の1ということですので、これについては引き続きその水準を維持したいということでございます。

その中におきましては、自己負担限度額は0円から2万円強ということでございますけれども、先ほどのような御指摘も踏まえて、今回新たな所得の階層区分というものをお示ししております。

前回御議論いただきました重症患者の特例というのは、応能負担という基本的な考え方に基づくもので、ここは廃止してはどうかということ。

他制度との均衡ということで、保険調剤は自己負担限度額での御負担をいただくということを御議論いただきました。

標準的な食事療養の費用は自己負担としてはどうか。ここは御議論いただいているところですけれども、そういうことでございます。

もう一つ、負担軽減としましては、複数患児のいる場合、これまでは負担限度額10分の1ではございますけれどもあったところを、実質なくなるということを御提案しております。

もう一つの大きな柱が研究でございます。

中間報告で指摘されていた問題は、今は診断書を医師が書いて、手書きの診断書から都道府県がデータ入力するということですので、その過程で間違いとか、あるいは迅速に届かないといった問題点がございました。

その際に、必ずしも必要な項目だけではなくて、いろんな項目を書くということになっておって、入力する都道府県とか、あるいは医師の負担というのも重いということで、診断書の様式を見直してはどうかということが言われておりました。

地域での医療の体制という問題も指摘されておりました。大人になっても小児科に通っているとか、地域で病院が見つかりにくいということが指摘されていました。

それを踏まえまして、今回データの登録システムを改める。手書きの診断書を出していただくのではなくて、直接入力していただくことによって迅速にデータが集まる。しかも正確なものが集まる。

診断書も必要な情報に絞るということで、医師の負担も軽減される。

都道府県におきましても、手書きから入力し直すという手間がかなり省けるということで、そういったメリットも各方面にあるというふうに考えられます。

もちろん、それによって研究がしやすくなるということがあろうかと思います。

 医療体制も中核病院小児科を中心として連携体制がとられるということでございます。

3つ目、医療費の助成に比べて児童の健全育成の支援がちょっと手薄ではなかったかというのが中間報告の指摘でございました。

成人以降に向けての支援というのも検討が必要だということで言われておりまして、先ほど申しましたように、難病の対象の疾患の拡大とか、自立支援に向けた予算要求ということをしております。

こういったもののトータルで患児の自立支援とか医療費の負担軽減を図っていこうということでございます。

以上、御説明でございます。

○五十嵐委員長 御説明ありがとうございました。

 それでは、今までの御説明につきまして、御質問あるいは御意見、いかがでしょうか。どうぞ。

○大澤委員 東京女子医大の大澤でございます。

 どちらかというと余り出てこなかった観点なのですけれども、資料2の2ページの一番最後「(3)健全育成・家族への地域支援充実」に○が2つありまして、「医療・保健・福祉・教育等が連携した支援」ということがあります。

 今、医療施設の側から困っていることを申し上げさせていただきますと、専ら15歳未満の患者さんが入院している病棟に入院している15歳未満の患者さんに限って入院料の加算というのが保険のほうで得られているのですね。小児科は大部分の施設が赤字なのですが、それが得られることによって少し緩和されているという状況があって、個室代差額なども昔より値下げをしても何とかなるみたいな状況が少しあるのです。

しかしながら、それは専ら15歳未満の患者さんが入院している病棟という条件がついているということと、15歳以上の患者さんに関してはそういうものを得ることができないというか、そういうのがあるということ。

それによって、実際には小児慢性疾患の患者さんたちは小児期に発症して、15歳以上に軽くなるということは余り考えにくくて、15歳以上も問題点をお持ちであり、なおかつ状況によっては15歳以上でより重症化することもあるわけなのです。

そうしますと、それまでその患者さんのことをよく知っている小児科医や小児の看護師がその患者さんのケアをするということが、患者さんの入院期間の短縮にもつながりますし、いろいろな点でうまくいくのです。

しかしながら、今、15歳未満ということに限られているので、15歳未満で発症した小児慢性疾患の患者さんに限っては、小児科学会では18歳とか20歳まではその小児科で診たいということを言っているわけですけれども、それまでの年齢は15歳未満の患者さんと同じような適用をしていただけると、医療側としてもそういう患者さんを引き受けられるのですが、そうでないと、15歳以上になると小児科の病棟には入院させてあげられにくくなる。

小児科医が最近少なくなっているという現状もあるわけですけれども、それは病院の中でやや赤字部門であって、何となくいづらい、やりにくい立場もいろいろあるのですが、そういうトータルの観点からそちらの医療保険との関係も少し考えていただきたいなと思います。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

どうぞ。

○鈴木審議官 審議官の鈴木でございます。

今、大澤先生から御指摘いただいた点、診療報酬の仕組み方の問題だと思います。

折しも、保険局で次期の診療報酬改定に向けての議論が中医協で開始されておりますので、ただいま御指摘いただいた問題意識を私どものほうから担当局にきちんと伝えて、その中でまた御議論していただくように取り計らってまいりたいと思います。

○大澤委員 よろしくお願いします。

○五十嵐委員長 ありがとうございました。

そのほかいかがでしょう。どうぞ。

○小林委員 難病ネットの小林です。

 質問といいますか、ちょっと理解がよくできていなかったので、教えていただきたいのですけれども、まず一つは5ページ目「入院時食事療養費の概要」ということで、一般260円、市町村民税非課税の者等210円、世帯全員が一定の所得以下等100円と書いてあるのですが、これはこういうふうになるということではないのですね。今がこれだということなのですね。

○小宅母子保健推進官 はい。

○小林委員 もう一点なのですけれども、これもちょっと理解不足でごめんなさい。

7ページに「同一世帯内に複数の対象患者がいる場合、負担が増えないよう、世帯内の対象患者の人数で負担限度額を按分するものとする」と。ここで「按分」ということで、先ほど事務局の説明で、ローマ数字4の6,000円の場合が3,000円、3,000円というお話をされたのですけれども、お話の中で2人目の負担額が10分の1というお話もあったかと思うのですが、10分の1と「按分」というのはどういう関係なのか、ちょっと教えていただければと思います。

○小宅母子保健推進官 事務局でございます。

 資料2の11ページをごらんいただきますと、現在の仕組みがございます。

 小さい字なのですが、この表の下に※印がついていて、「同一生計内に2人以上の対象患者がいる場合は、その月の一部負担額の最も多額な児童以外の児童については、上記の表に定める額の1/10に該当する額をもって自己負担限度額とする」となっております。

ですので、例えばHの階層、入院の1万1,500円という負担限度額の家庭において、お二人いらっしゃった場合ですと、1人目は1万1,500円の御負担額。お二人目についてはその10分の1の1,150円の負担額。合わせて1万2,000何がしの御負担額になる。これが現在の仕組みでございます。

新しい御提案、7ページの表ですと、例えば2万2,200円というところでお二人いらっしゃれば、お二人目の方にこの10%をいただくというのではなくて、お一人当たりですと、2で割った1万1,100円になるということでございます。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○小林委員 小林です。

ということは、案分ですから、もう一人も1万1,100円ということになるのですが、この場合は10分の1ですから1,110円ということになるのでしょうか。

○小宅母子保健推進官 済みません、もう一度お願いします。

○小林委員 例えば2万2,200円の場合、2人ですと、案分ということになると1万1,100円になるわけではないですか。そうすると、10分の1ということになれば、一方は1万1,100円で、もう一方は1,110円ということなのですか。

○五十嵐委員長 違いますね。

どうぞ。

○小宅母子保健推進官 2つの表を使い分けてしまったので、わかりにくかったのだろうと思います。

7ページの表で申し上げますと、例えば2万2,200円という層があって、今の仕組みですと、お一人目はこの額。お二人目については、2万2,200円の10分の1ですので2,220円。お二人合わせると2万4,000幾らになるということでございます。

新しい御提案ですと、2万2,200円をお二人で割った1万1,100円がお一人当たりの額で、お二人いらっしゃいますので、その倍なので2万2,200円。簡単に言うと、何人患者さんがいらっしゃってもこの額で打ちどめと。

○五十嵐委員長 軽減になります。

○小林委員 そういう意味なのですね。わかりました。

○五十嵐委員長 よろしいですか。

○小林委員 はい。

○五十嵐委員長 益子委員、どうぞ。

○益子委員 宮前保健所の益子です。

「小慢特定疾患に係る新たな医療費助成の制度」は、難病対策の委員会の案を参考にしていらっしゃると思うのですけれども、難病のほうでは軽症者に継続して高額な医療費を要する者への対策が盛り込まれています。

小児にあっても、例えば軽症だけれども濃厚な治療をして踏みとどまっている者もいらっしゃると思うのですね。ですので、これをぜひ載せていただきたいなと思います。

○五十嵐委員長 何ページのどこに、どういう文言でとご指摘いただけますか。

○益子委員 9ページの「難病に係る新たな医療費助成の制度」にあっては、4つ目の○に「軽症者のうち、継続して高額な医療費を要する者への対策を実施」というのがあるのですが、小慢のたたき台、7ページにはこれが抜けているので、例えば濃厚な治療をやって腎機能が落ちないように、腎不全にならないように頑張っていらっしゃるような人とか、軽症だけれども濃厚な治療で踏みとどまっている人が小児でもいらっしゃるのではないかと思うので、これを入れていただけたらと思います。

○五十嵐委員長 これについて、いかがでしょうか。

○小宅母子保健推進官 事務局でございます。

 参考資料4の中に難病委員会の参考資料2「参考資料集」というものが入っております。

 1ページ目のところに今年1月の「提言」というのがございます。

下の段の真ん中「第2 公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築」の3つ目のポツに「対象患者の認定基準の見直し」というのがございます。括弧書きで「症状の程度が重症度分類等で一定以上等で、日常生活又は社会生活に支障あり」の方に対象者を限定しようということでございます。

ですので、難病のほうにおきましては、現在よりも対象者の範囲が限定される。軽症の方については対象外になる可能性がある。そういう部分がございます。

小児につきましては、そこの基準は先ほどの対象疾患の選定のところにありますけれども、あの考え方は従来どおりでございまして、対象者の範囲を変える予定はございません。

難病におきましては対象者の範囲が変わるところがありますので、そういった方について、高額な薬を使って症状を抑えていると。結果的にはこの基準に当たらないのだけれども、そのためには高額な医療費を必要としているという方がいらっしゃるので、そういった方については何がしかの措置が必要ではないかということがございまして、そのために、難病のほうでは高額の医療費を使って症状を抑えている方についても助成の対象にしてはどうかという議論がなされております。

小児のほうにつきましては、ここの基準は全く変更がございませんし、軽症の方も対象にしておりますので、こういった基準を設けなくても、対象者の範囲については広くカバーされているので、こういう問題は起きないだろう。

手厚い医療が必要かどうかということに関しましては別の問題でございまして、対象者の範囲では手厚い医療は当然ながら可能でございますので、難病とはそういうところで構造が違うので、こういった措置は必要ないのだろうということでございます。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○益子委員 ちょっと不確かなのですけれども、小慢でも重症度分類を全部に導入していくのだと。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○鈴木審議官 端的に申し上げますと、小慢はもともと重症度分類を持っておりますので、今回新たに重症度分類を得る難病とはそもそも違います。

ただ、先生御心配の、例えば薬をきちんと飲んでいるから軽症におさまっているというようなケースは、小慢ではもともと重症度分類で重症のほうに区分しておりますので、今回の難病のように、軽症者だけれども医療費の高い方を助成し直すというような事態はそもそも生じない。もともと小慢の対象になっていると御理解をいただいていいと思います。

○五十嵐委員長 よろしいですか。

○益子委員 はい。

○五十嵐委員長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○眞鍋委員 長野県の眞鍋でございます。

資料2の2ページで、先ほど小林委員からも御質問があったところで、対応案の「複数患児家庭の負担軽減」で、現在2人目以降は10分の1というところを今後は「負担限度額を人数で按分」というところでございます。

これは難病のほうでも申し上げたのですが、実務を詰めるときにぜひ御検討いただきたいのは、必ず案分するのだとなってしまうと、3で割り切れなかったときどうするのだとなってしまうので、恐らくこの趣旨としては世帯で上限はここまでですよということなので、誰かが払えば、ほかの人は払わなくていいとか、そういうふうな運用の工夫とかができるように、実務をつくるところで検討していただければありがたいと思います。

○五十嵐委員長 表現の問題ということでしょうか。

いかがですか。

○小宅母子保健推進官 実務の話もありますので、御指摘を踏まえて、関係のあるところと御相談させていただきます。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○坂上委員 読売新聞の坂上です。

今回出された案は前回に比べると、市町村民税非課税世帯を2区分に分けて医療費負担の軽減を図っています。また、同一世帯で病気の子供さんが2人、3人と多い場合は、最初の1人分の負担分だけで済む措置も導入されています。患者さんを持つ御家族には大変良い対応だと思います。

一つ聞きたいことがあります。既認定者の取り扱いについてはおおむね3年間の経過措置を取ると示されています。具体的にはどんな経過措置を取るのでしょうか。今、払っている金額から3年間で段階的に変更していくというようなイメージなのでしょうか。

○小宅母子保健推進官 これにつきましては、もう少し検討させていただければと思っております。

○坂上委員 これは大人の難病のほうでもまだ具体的に決められていないということなのでしょうか。

○小宅母子保健推進官 事務局でございます。

そうでございます。

○坂上委員 わかりました。

○五十嵐委員長 よろしいですか。

○坂上委員 続いて、今回初めて、疾患がどのぐらい増えそうなのかということが示されました。対象疾患は80から100疾患増えそうだというのですけれども、これはどのように受け取ればいいのでしょうか。今後、精査していくと半減してしまう、などということはあるのでしょうか。

○小宅母子保健推進官 事務局でございます。

学会のほうにいろいろ検討いただいて進めてきておることでございますので、そんなにがらがらっと変わるということではないと思いますが、精査が必要だという前提でごらんいただければと思います。

○坂上委員 わかりました。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○井田委員 慈恵医大の井田です。

この前ディスカッションのあった一番大きいところは、階層区分についてでしたが、今回から6段階まで分けられました。これは受容できるのかどうか。前はざっくり4段階でしたが、ここを6段階に分けて、年収で負担額が変わりましたね。小林さん、益子先生から出ましたけれども、これについて皆さんの御意見はいかがなのでしょうか。

○五十嵐委員長 では、改めてどうぞ。

○小林委員 小林です。

この案を拝見して、前回と比べると随分改まっているなと思いながら拝見しました。

上限があのときは380万円だったのが、今回630万円というふうに変わっています。欲を言えば、この上があればもっといいのかもしれませんけれども、随分いろいろと検討していただいたのだなということは感じていますが、この自己負担の限度額を拝見しながら、本当に困るのは、この6段階とかいう人ではなくて、もっと下の2段階、3段階、こういう人たちなのだろうなというふうに感想として思っております。

ついでによろしいでしょうか。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○小林委員 全体として例えば義務的経費という部分がこういうふうにはっきりうたわれてきて、患者団体としては、この部分については一安心だと思いますし、対象疾患の拡大も具体的に80から100ということなので、具体的にどのぐらいのスケジュールで、どんなふうに追加されていくのかということを知りたいなと思っています。

自己負担の割合も2割ということで、よかったなと思っております。

もう一点は健全育成のほうで、成人期に向けた支援ということで、ここのところが今、はっきり出ておりませんし、この課題、雇用のことはみんな何年もお願いしてきているところなのですけれども、ぜひこれについても突っ込んだ方向性というのを出していただけるとありがたいなと思っています。

もう一点、健全育成や家族、幾つかのメニューが出てきておりまして、これもぜひ進めてほしいなと。これまで日常生活用具の給付とかピアカウンセリングがあったわけですが、この会議の最初のころに申し上げたかと思うのですけれども、その活用というのは決して十分ではないという感想を持っております。児童家庭局は「健やか親子21」という非常にいいプログラムを持っていますから、そういうのとうまく絡めたりしながら、こうしたいろんなメニューをぜひ拡充させていただいて、家族や子供たちをサポートできる仕組みを整えていただければありがたいなと思っています。

○五十嵐委員長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょう。

 そうしますと、資料2の7ページにあるように、以前に比べて大変細やかで、かつ収入の少ない方への配慮も一応された形にはなっている、ある程度の評価はいただいたということでよろしいですか。

どうぞ。

○小林委員 個人的にはそういうふうな感想を持っておりますけれども、今日これが出たところで、また患者さんたちといろいろ意見交換をしながら、みんなの考えも聞いてみたいなと思っています。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

 よろしいですか。どうぞ。

○井田委員 慈恵医大の井田でございます。

 今ここで話しているのは医療の制度だけですが、少し高い見地から小児の福祉ということを考えると、疾患を持った方だけではなくて、経済的に困窮している方などでも福祉を受ける権利というのを手当てしていかなければいけないので、そういうのがいわゆる国民目線からした公平性。

高い見地から小児福祉も考えていった場合、それから小児慢性特定疾患を持たれている患者さん、今、小林さんがおっしゃったように、医療だけでなくて、全体的に包括した支援が大切ではないかなと思います。

また、その対象疾患が今度拡大される。難病も小児慢性特定疾患も。これは小児科学会のほうで固まって来ておりますので、これがすごく減るとかいうことはないと思います。もちろん、今まで受けている患者さんの負担額がふえるということは、うっと思うかもしれませんけれども、今までこれで認められていなかった患者さんも認められるようになるというのは非常に大きなことなので、それは相身互い、分かち合って負担といいますか、ある程度これでどうなのかなというのは、私の少し上から見た感じ、印象でございます。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○小林委員 小林です。

井田先生、ありがとうございます。

80 から100ふえる。今、申し上げたように、指定を待っている患者さんたちが数多くおりますし、そういう患者さんたちを母子保健課にこれまでも何人も紹介させてもらっていますけれども、本来から言いますと、子供だけでなくて、大人もそうなのですが、疾患単位ではなくて、日々の医療とか暮らしの状況に応じたサポートが本当は一番必要なのだろうと思うのです。

疾患単位ということになると、自分たちを指定してほしいという声は限りなく生まれてくるはずだと思うのです。

ですから、今回はこういう形で進むのだろうと思うのですけれども、将来は根本を見直していただいて、小児慢性疾患のありようとか、疾患の選び方とか、対象患者の選び方とか、これまでと違う、疾患を超えたところで考えていっていただく必要があるのではないかと思っています。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

どうぞ。

○井田委員 母子保健課の方にお伺いしたいのですけれども、このように金額が設定されたのですが、これはざっくり全体を押しなべてこういう金額なのですけれども、現実的にいろんな家庭の状況で実際に払えない方というのも出てくるわけですね。そういう方の救済措置みたいなものは何か考えていらっしゃいますでしょうか。

○五十嵐委員長 いかがですか。

○小宅母子保健推進官 医療費の窓口での支払いが遅滞するとかいうのは、これだけでなくて、一般的にある。そういった対応の中で、若干期間を設けるとか、いろんな対応が現時点であると思いますので、そういった中で対応していくということになるのかなと思っております。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○眞鍋委員 長野県の眞鍋でございます。

 そういう方は、こういう小慢の患者さんを持っていらっしゃる家庭だけではなくて、こういう方がいない世帯でもありますので、一般には保険者が短期の保険証を緊急に発行したり、あるいは医療費を緊急に貸し付けするような制度を市町村が持っていたりしますので、自治体に相談していただければ、そういうセーフティーネットというものは何らか紹介していただけるものだと思っています。

○五十嵐委員長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○眞鍋委員 これは難病でも共通なのですけれども、今回、例えば医師による電子的な入力とか、新しい仕組みが入ろうとしています。また、疾患も広がろうとしているということでして、ここは実務を担う都道府県のほうと準備に関して意思疎通を図らせていただきたいなと思っています。

 具体的には、私ども都道府県においては来年度予算要求の議論が大分進んできているような状況にあります。ですので、なるべく早く今後のスケジュール、それからこういうことを準備しましょうということをお示しいただいて、一緒に準備をさせていただいてというふうに思っておりますので、ぜひ御配慮をお願いしたいと思います。

○五十嵐委員長 実務レベルの御要望ですが、これは要望ということで対応をお願いしたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○井田委員 慈恵医大の井田です。

今、眞鍋先生のほうからたまたまコンピュータの入力のことが出たので、今、助成のほうに話になっていますが、この命題の中に研究の推進というところが大きな柱でありまして、これには患者さんのそれぞれのデータの集計と解析が絶対不可欠だと思うのです。

現時点で医療費の問題とかありますけれども、将来的に考えると、よりよい診断とかよりよい治療の開発には絶対不可欠ですので、そこのシステムというのも結構急所だと思うのですが、前回の会議で申し上げたけれども、現場医師の負担が多分多くなると思うのです。診断書の入力代行というものを採用している病院が結構ありますので、できればそういうものが活用できるような意見書の作成といいますか、より実務的な、よりプラクティカルな意見書の作成というのもキーポイントになるのではないかなと考えております。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

 実務レベルの話ですけれども、各病院ではこういう証明書を発行するときに、最終的には医師のチェックを受けるわけですが、その前段階を代行してくれる事務職員を雇う方向にありますので、そういう方の入力もあり得るということを想定したようなシステムにしていただきたいということですね。

○井田委員 そうです。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○小林委員 素人なのでわからないものですから、ちょっと変な質問で申しわけないです。

難病のほうでもそうなのですが、今日、こういう自己負担の金額が出た。以前、小慢法制化のときの検討会ではこういう自己負担の限度額というのは出なかった。今回は出て議論しているわけですけれども、これは、例えばこの会議で委員の皆さんがこれではだめだよというふうになると、だめになってしまうのか。そのときはまた新しい案が出てくるのか。あるいはいいよというふうになれば、このまま通ってしまうのか。そのまま実際の医療現場で使われていくのか。その辺のところはどうなるのか、よくわからないので教えてほしいなと思ったのです。

○五十嵐委員長 これは答えられますか。どうぞ。

○鈴木審議官 大変難しい御質問でございますけれども、基本的に私どもはこの場でぜひとも先生方の議論を尽くしていただいて、成案を得ていただきたいと思っております。

 私ども行政の立場は、ここで御提言いただいたものを最大限尊重して制度化をするということでございますので、全体としてそういう取り運びをぜひともお願いできればと思っております。

○五十嵐委員長 基本的な方針を御説明いただきましたけれども、それに対して、いかがですか。どうぞ。

○小林委員 そうしますと、もしこの委員の皆さんの間で、やはりこれはだめだよというふうになってしまうと、これをまたつくり直して御提案があるのか。あるいはここの文面に義務的経費のこととか、いろんなことがありますが、これがみんな吹っ飛んでしまうのか。それとも、これでいいよとなって通った場合は、その責任については私たち委員が全部負うというふうなことになるわけですね。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○鈴木審議官 当然賛成、反対、いろんな御議論があろうかと思います。

たらればの進め方のお話なので、ちょっとお答えしにくい面もございますけれども、あえて申し上げれば、反対の御議論があった場合に、全部に配慮して修正案を逐一細かにお示しするかというと、これはまた別問題だろうと思います。

まさに小林委員がおっしゃったように、今回の改正、改革のコンセプト、義務的経費化とか疾病拡大とか、そういうことも含めました全体としてどういう絵柄かという見地でぜひ御議論いただきたいと思っております。

責任の所在でございますが、これはあくまで制度を所管する厚生労働省にございます。しかし、専門のお立場からいろいろ御議論いただいておりますので、御提言いただいた重み、それに伴う責任というのは一定程度お考えいただく必要があるのかなと思っております。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○坂上委員 読売新聞の坂上です。

 今の言葉を聞くと、この委員会の重さを感じます。なかなか言いにくいところもあったりします。患者さんとそのご家族の負担をなるべく減らしたいとの思いを我々はずっと持っています。一方で、そのためのお金、財源の問題を考えるとなかなか言えないという板挟みにあっているような思いです。

入院時の食事の費用は、前回示された案と変わらず、負担をいただくような案が示されて、私としては本当に残念に思います。しかし、先ほど小林委員がご指摘していたように、様々な軽減策を積み重ね、患者負担を少なくしていったら、小慢事業が義務的経費でなくなってしまうようなことになるのでは問題です。このような公開の場などで、私自身、患者さんの家族に丁寧に情報発信していかなければいけないと思っています。

○五十嵐委員長 大変貴重な御意見をありがとうございます。

 どうぞ。

○益子委員 宮前保健所の益子です。

ちょっとくどいようなのですけれども、先ほどの軽症者の件なのですが、先ほど重症度分類でカバーしているというお話でしたけれども、現実には保健所のほうに申請に上がってきて、数値が満たないために、治療していても基準に満たないので、不承認の症例も実際にあるのです。

その治療が濃厚な治療かどうかは別にして、今後新しい疾患がふえて重症度分類も出てくるのでしょうけれども、今、軽症で踏みとどまっていて、濃厚な治療をするというケースが全くないことはないかもしれないので、そこら辺の配慮をしていただきたいなと思います。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○井田委員 益子先生のお話は、多分小児科学会の診断の基準のところで問題になった腎不全のクレアチニンが1点幾つとか、そういう細かい数値で、軽症者と重症者でなくて、もともと認定するかどうかというところの問題だと思います。

 腎臓のほうでは、クレアチニンが年齢によっても違うので、認定の基準を訂正してほしいというお話は出ておりました。

○益子委員 それに関連して、治療をされていっても認定されないとなってしまうので。

○五十嵐委員長 事務局、お願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 今、益子委員から御指摘いただいている件は、井田委員からもご指摘いただいているところで、小児の腎疾患の基準の件で、成人の基準をそのまま小児に当てはめると基準が適切でないという御意見をいただいているところでございます。

個別の疾患に対して、その基準の御意見ということで私ども事務局のほうは賜っておりますので、今後見直しをしていきたいと思っております。

もう一方で、今後対象疾患が増えた場合につきましても、十分御意見を踏まえながらやっていきたいと思っていますし、今の対象基準については、疾患に該当する場合というような対象基準を設けておりますので、治療の濃淡に応じてその患者さんが外れるということは、現行においても生じているところではございません。現行の仕組みを維持しながら、今後広がる対象疾患についても対応していきたいと思っています。

また個別にそういった学会の御意見をいただきながら、適切に対応したいと思っております。

○五十嵐委員長 よろしいですか。

○井田委員 ちょっとすっきりしない。

○五十嵐委員長 では、井田先生、何か補足を。

○井田委員 不許可になるのは、益子先生がおっしゃることがあるのですが、治療して例えばクレアチニンが1だと、今の基準だとだめなのです。

診断のガイドラインは、今、小児科学会のほうで五十嵐会長のもと鋭意作成中でございまして、小児と成人は違うので、できるだけ漏れがないようにしていくという方向に行っております。

○五十嵐委員長 確かに現場で運用の仕方、認定する場合に、都道府県によって多少基準が違ってくるという現状はあるようですけれども、それがこれからはないように、学会として基準をしっかり決めて、それを周知徹底するという作業は、確かに益子委員がおっしゃるように必要ではないかとは考えております。

この制度の問題ではなくて、運用の仕方の問題ではないかと思います。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○小林委員 小林です。

 先ほど質問した中で対象疾患が80から100ふえるというお話があったのですが、これは具体的にどういうスケジュールで、いつごろからそれが対象疾患になっていくのか、その辺をちょっと教えていただきたいなと思います。

○五十嵐委員長 これも現在鋭意作業中でございまして、スケジュール的にいつと断言できる状況ではございませんが、努力しているところでございます。

○五十嵐委員長 どうぞ。補足してください。

○井田委員 今、小児科学会のほうでほぼ固まっています。ただ、公開すると、患者さん等々からの要請とかもあって、今までやってきたことが全部難しくなってしまうので、今のところ公表はちょっと難しい。

疾患をまず決めて、今、話が出ました診断基準を決めて、そして意見書の作成に持っていくという作業を五十嵐会長のもと、小児科学会に小児慢性疾患委員会というのが設立されていまして、そちらで今、診断基準についてやって、それが決まったらば今度意見書の作成になるという運びになっております。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○小林委員 伺いたかったのは、来年の1月の通常国会に新しい法制度としての法案を出すということでしたけれども、それが通ったとすると、では、いつごろから新しい法律として施行されていくのか。では、それにあわせて追加される疾患はいつから有効になっていくのか。そういったことです。

この中ではその疾患をこの委員会で選ぶというようなことが書いてあったのですが、ということは、最終報告は11月に出して、それで委員会は解散かなと思っていたのですけれども、この委員会はまたその後も継続していくということなのか、その辺のことを伺いたい。

○五十嵐委員長 お願いします。

○鈴木審議官 スケジュールでございますけれども、今、まさに小林委員がおっしゃったように、この法律が通りました暁には、直ちに施行準備が必要ですので、今、学会にいろいろ御検討いただいているものを素材にして、法律が通った後で実際に選定の作業を透明性を持ってやっていくということになると思います。

したがって、できれば27年1月からの新制度の施行に全部間に合えば一番いいなというふうに思っております。ただ、これは実際の作業との兼ね合いでございます。

検討の場ですが、これは中間報告で「公開の場」において透明性を持ってという御指摘をいただいております。

私どもの一つの御提案として、その場として当委員会を例えば継続させていただいて、御議論いただいてはどうかなということでございます。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○坂上委員 読売新聞の坂上です。

今、法律の話が出たのですけれども、法律論的なことは詳しくないので教えていただきたいと思います。法律では理念的な部分が改正されて、世帯年収により6区分に分けて医療費の自己負担限度額を定めるなどの細かい部分は、施行細則などで決めるのでしょうか。

例えば、自己負担限度額の見直し案が患者家族にとって厳し過ぎるという意見が出てきた場合に、再度の見直しはできるのでしょうか。

○五十嵐委員長 では、事務局、お願いします

○鈴木審議官 今、法律の仕組みを整える作業を同時並行でやっておりますので、まだ確定したことではございませんけれども、例えば自己負担限度額をどう決めるかといったあたりは、ほかの制度を見回してみましても、例えば医療保険の高額療養費は政令事項でございますので、並びで言えば、政令事項になるのかなと今のところ考えております。

 見直しでございますけれども、制度を走らせてみて、それがきちんと実態に合っているかどうかというのは不断の見直しが必要になります。

ただ、手続といたしまして、まさにこういう場で広く深く御議論いただいて決まったものでありますので、変えるといっても、また簡単な話ではなく、予算も絡みます。そうすると、またここで御議論いただいたような手続を踏んできちんとやっていくということではないかと思います。

○五十嵐委員長 大体御理解いただけましたか。

○坂上委員 はい。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○大澤委員 資料2の7ページの先ほどの自己負担限度額のところです。

 一般に小児慢性疾患の患者さんが、その小児慢性疾患そのものではなくて、急性咽頭炎にかかった、あるいは気管支炎になったということも起こるわけですが、その場合についでに診てくださいというか、小児慢性疾患の患者さんの治療のためのチェックと同時に、そういう疾患も一緒に拝見させていただくということがあるのです。

そのときに、今はその医療費を分けるのがちょっと難しいのですけれども、これはマルメになるのはやはり難しいのでしょうか。

つまり、小児慢性疾患の再診料はただ。でも、風邪を引いた分のお薬代については医療費がかかりますよということを、これだとしなければならないのか、それとも一緒でいいのか。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○木下課長補佐 現行の仕組みと同じ形でございますけれども、小児慢性特定疾患に係る医療費の部分は助成という形になり、それ以外の疾患が原因で行っている医療に関しましては別という構造になっております。それは現行の構造と同じ形になるかと思います。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○大澤委員 その場合に、急性疾患にかかることによって慢性疾患が悪くなって入院しなければならなくなるとか、そういうこともあり得るのですが、その辺の線引きが非常に難しいかなと思います。

○五十嵐委員長 どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

委員御指摘のとおり、そもそもの疾患との関連性ということで明確に線引きができないケースもあると思いますが、具体的なそういった線引きができるものについては整理した上で、どういう考え方でやるのかと。

例えば内臓系の疾患で骨折が起こった場合については別ですよというような、明らかな線引きが引けるものと、場合によっては委員御指摘のようになかなか難しいものというのがあると思いますが、できる限りわかりやすい事務的な形で自治体のほうには周知して、医療機関の現場にもお伝えできるようにしていきたいと思っております。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

どうぞ。

○井田委員 井田です。

慈恵の場合は、そういうことは事務から連携があって、井田先生、これは現病に関係がありますか、保険に含めますかという問い合わせがありまして、ある現病では呼吸器疾患を起こしやすいということであれば、それにかかわる肺炎とか気管支炎に関しては、それは含めますよと私は回答していまして、全然インディペンデントで、全く医学的に関係ないものであれば、これは普通の健康保険でお願いしますというふうにお答えしています。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○小林委員 これも特定疾患の話のときに出たことなのですけれども、先ほど兄弟2人が小慢になっている場合の措置が紹介されていましたが、兄弟で小児慢性疾患と特定疾患に罹患している場合もあるということなので、ぜひその辺もまた検討していただければと思います。

○五十嵐委員長 これは御要望ということでお願いいたします。

どうぞ。

○井田委員 今、たまたま小林さんがいいことをおっしゃってくださった。私は先天代謝異常症をやっているものですから、先天代謝は遺伝性の疾患ですので、親御さんがその疾患で、しかもお子さんも疾患で、遺伝性疾患ですから、お子さんが複数いる場合というのもあるのです。そんなにケースは多くはないと思いますけれども、確かにそういう方に対する医療費の配慮というのは必要ではないかなと。特に遺伝性疾患の場合、それは非常に大きいと思います。

 エクスキューズではないですが、私は別に患者さんの自己負担にもろ手を挙げて賛成しているわけでなくて、小林さん、僕もただにしてあげたいのです。だけども、諸事情を考えると難しいなというのが今のところかなと思う。ただ、私の領域で言えば、そういう方に対する配慮は当然医学的には必要だと思います。

○五十嵐委員長 ありがとうございます。

ほかに御意見はいかがでしょうか。

大体懸案となっている事項については、これまでのこの専門委員会を含めまして、いろいろ御意見をいただいたわけですけれども、よろしいですか。

それでは、今日の議論は、これ以上御意見がないようですので、これで終了したいと思います。

皆様からいただきました貴重な御意見につきましては、事務局で整理をさせていただきまして、資料2の内容が大きく変わることは恐らくないのではないかと思いますが、次回にもう一度最終的な案ということでディスカッションすることはあると思いますけれども、まとめていただきたいと思います。

今後の予定につきましては、事務局から御説明をお願いいたします。

○火宮課長補佐 委員の皆様、ありがとうございました。

 次回の専門委員会の日程等につきましては、事務局より追って連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

○五十嵐委員長 それでは、今日の専門委員会はこれにて終了したいと思います。

御出席いただきまして、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

雇用均等・児童家庭局母子保健課
福祉係: 03-5253-1111(7937)

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